世話人挨拶

世話人 一城 貴政
第31回全国済生会糖尿病セミナー
世話人 一城 貴政
済生会横浜市東部病院 糖尿病・内分泌センター長

この度、第31回全国済生会糖尿病セミナーを2025年8月23日(土)に川崎市で開催させていただくことになりました。前回当院が世話人を拝命した2010年は横浜みなとみらいで開催させていただきましたが、この度は初めて川崎での開催とさせていただきました。前回2010年の第17回から15年ぶりになりますが、再び当院で担当させていただくことを誠に光栄に感じております。一時期はコロナ禍により数年間は完全Webまたはハイブリッド形式での開催を余儀なくされていましたが、昨今では現地開催の学会・講演会も多くなっており、本第31回全国済生会糖尿病セミナーも現地開催を予定しています。現地開催ならではの、直接皆様と顔を合わせた生の活発な討論・議論による知識向上やや久しぶりに会う仲間との親睦の機会となれば幸甚と存じます。

今回のセミナーのテーマは「Walk Together Talk Together 〜糖尿病と共に生きる人と共に歩む〜」としました。近年の糖尿病診療の発展は目覚ましく、数々の新薬や血糖モニタリングシステム、インスリンポンプなどの医療機器が開発され、数多くの素晴らしいエビデンスとそれらを用いた経験が蓄積されてきました。一方、患者の高齢化と共に併存疾患の複雑化が顕著となり、糖尿病診療に携わる我々にとって糖尿病の合併症のみならず併存疾患の管理の必要性・重要性が増すと共に、内分泌疾患をはじめとした背景疾患の確実な診断・管理が求められる時代となりました。

糖尿病学会より提唱されている究極の目標である「糖尿病のない人と変わらない寿命とQOLの実現」が、合併症・併存症・背景疾患により達成困難な状況をしばしば経験いたします。糖尿病診療は最も個別化医療が求められる医療の1つであり、患者さんと共にそこに携わる医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、臨床検査技師など、多職種が1つのチームとして知恵を出し合い、個々の患者さんに対する糖尿病診療チームとして患者さんの人生を共に歩み、患者さんと共に語らいながら診療を進めていくことが肝要と考えております。

済生会は全国に病院83施設を有する公的医療機関で、最も多くの医療施設を有する医療グループの1つです。糖尿病学会学術集会が医師を中心とした情報発信源であるのに対し、本セミナーは糖尿病診療に携わる多職種での共同情報発信源であり、より実臨床に即した議論と情報交換の場であり、本邦における糖尿病診療に大きく貢献できるものと考えております。

現在、当院の糖尿病ケアチームのメンバーで、第31回全国済生会糖尿病セミナーの開催に向け、鋭意準備を進めております。皆様と川崎の地でお会いできることを楽しみにしております。